■ あったもの

優しさに涙して
自分も誰かに返したくて
お礼を貰って嬉しくなって
更に何かしたくなって

そんな循環がたくさんたくさん
あったのに気づけなかった

でも
気づけたことに感謝したい

■ 許容範囲

誰が何を思ってもいい。
ただそれを外に出さず、こちらに示しさえしなければ。

■ 防波堤

「バ～リア！」

遠くなった記憶の中で、笑いながらそんな遊びをしていた。
両手で自分を守るように。
声で相手を拒むように。

本気だったり、冗談だったり。
何の威力もあるわけないと知っていたのに、それでもどこか信じていた。

きっと何かは弾けるはずだと。


「バ～リア…」

声に出した小さな音は、相変わらず何の障害にもならず、ただ空に消えて行ったけれど。
それでも変わらずに、自分には見えない何かを弾いてくれている。

■ no subject

薄っぺらで浅い。
そんなことは誰よりも知っている。

だからもがいてもがいて。
脱け出せなくて。

情けないと嘆く君は、多分に私なんかよりも立派な人間だと思う。

■ 教示

見えなくて。
聞こえなくて。
伝えられなくて。

それでも諦めることができないもの。
手放したくないもの。

そんな存在があることを教えてくれたあなたにありがとう。の言葉を。