■ リサイクル04

どうして僕は無力なんだろう。
どうして私は無能なんだろう。

泣いているのに涙を拭うしかできない。
涙を流すこと以外何一つできない。

役立たず役立たず役立たず。

君が諦めるのならば全力で助けるのに。
今のままじゃ慰めて宥めるしかできない。

何一つ碌にできないのに手放した先が怖くてしがみつく。
嫌なのに逃げたいのに逃げだせない。

君のすべてを僕が助けられるなら今すぐ君を浚って閉じ込めるのに。
甘やかして甘やかして。
可愛いものや優しいものだけで世界を作るのに。

誰かに助けてほしいのに誰にも縋ることなんてできなくて。
こんな自分に価値なんてなくて。
助けてほしくて優しくして欲しくてまた泣いて。

ねえ、お願いだから望んでよ？
ねえ、望んだら叶えてくれる？

誰かここから連れ出して。
まるで甘やかされた子供のように扱って。

死がふたりを別つまで現実を遠ざけて。





リメイクR01/R02

■ リサイクル03

私が居なくとも、世界は終わりませんが
私が居ないと、私の世界は終わります。

そんな簡単なことに気付いたのは
まさに死と向き合ったその時でした。

もっと早くに向き合えていれば何かが変わったのかと思うと同時に
きっと早くに向き合えていなかったからこそ私はこの人生を送ることができたのだと思うと
何故だか不意に涙が出て、止まらなくなりました。


貴方が笑っても、世界は何も変わりませんが
貴方が笑うと、私の世界は幸せになります。

それを告げるつもりはありません。
だってもうじき消えゆく世界の話ですから。

もっとたくさん貴方との未来をとそればかり望んでいました。
けれど貴方とたくさんの過去を過ごしてきたのだという事実に気付くことができて
何故だか今がとても幸せで、穏やかな気持ちです。


誰かが居る限り、世界は回って行きますが
誰も居なくとも、変わらず回り続けるでしょう。

何を以て世界を定義するのか。
それは人によって違うのでしょう。

形を変えて受け継がれ、緩やかに変化していくものを世界と呼ぶと同時に
ただそこにあるだけで、すべてを受け入れるそれを世界とも呼ぶという事実を
忘れがちですが思い出させてくれました。



いつか私が消える日まで
せめて貴方は笑っていてください。
いつか貴方が消える日には
望んでくれるなら私が貴方を迎えに行きます。

伝え損ねた愛と感謝の気持ちは
最期まできっと伝えることはないでしょう。
急にそんなことを言えば貴方が不審がるのが解っているから。


だけど今だけ。
ありがとう。大好きです。



リメイク039

■ リサイクル02

くるりくるりと落ちるのは何。



君への好意。
君への敵意。

好きなのか嫌いなのかすら判らないこの感情は。
既に執着と呼ぶもの。
自覚はできてもその呪縛から逃げる術はない。

あぁ。
後は君が死ぬか、僕が死ぬか。
それだけ。


私の好意。
私の敵意。

貴方がどう捉えてくれているのかなんて悪い方向にしか思えない。
伝えたい感情じゃない。
関係が崩れるのは怖いけど壊したい気持ちもある。

あぁ。
貴方が死ぬか、私が死ぬか。
それだけ？


例えば。

君が死ねば僕は泣く。
貴方が死ねば私は泣く。
君が死ねば僕は笑う。
貴方が死ねば私は笑う。

寂しさと同時に満たされるのは独占欲。
伝えるわけにいかないこの感情。


二人の平穏な未来なんて想像できる要素はまったくない。
ヤるか、ヤられるか。
覚悟はできてもその高揚から逃げる術はない。

あぁ。
後は誰が死ぬか、誰が生きるか。
それだけ。




リメイクK10／039

■ リサイクル01

聞かせてほしいよ。貴方の本音を


好きか嫌いか聞いただけで
察してほしいなんて言わないで
そのくらい自分で言ってよ、聞かせてよ

何も怖いものがないわけじゃない
私だってドキドキしながら言葉を伝えてる
同じくらいドキドキしてるなら
それをちゃんと言葉にしてよ



一緒に居たいか聞きたいだけなの
嫌いになったなんて聞かないで
信じていても聞きたいの、言葉を頂戴

私だけが貴方を好きなわけじゃない
貴方だって同じくらい私のこと好きなんでしょ？
態度だけじゃ不安になるよ
だからちゃんと想いを教えて



無口なのは解ってる
ただ気持ちを伝える努力をしてくれないのはちょっと辛い
たくさん望んでいるわけじゃないの
ほんの時々でもいい
私にも聞かせて、貴方の想いを



難しい言葉も建前も要らない
私は思ってるより簡単で単純なの
大好きなの。一緒にいたいの
だから一緒に努力しようね





リメイク039