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自己満足詩系blogです。 一日一題更新予定。 早々挫折で気まぐれ更新。 途中から写真兼用に。
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「バ~リア!」

遠くなった記憶の中で、笑いながらそんな遊びをしていた。
両手で自分を守るように。
声で相手を拒むように。

本気だったり、冗談だったり。
何の威力もあるわけないと知っていたのに、それでもどこか信じていた。

きっと何かは弾けるはずだと。


「バ~リア…」

声に出した小さな音は、相変わらず何の障害にもならず、ただ空に消えて行ったけれど。
それでも変わらずに、自分には見えない何かを弾いてくれている。
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誰かのことより、私のことを考えて欲しい。
例えば貴方にだってそういう気分もあるでしょう?

全部、自分が悪いわけじゃないって思いたい。
全部、誰かのせいにしたい。
全部、投げ出して、逃げ出して。

そんな気分があったっていいじゃない。

私のせいより、誰かのせいって言って欲しい。
例えばそれが優しいウソっていうものじゃないの?

だって、現実は優しいだけじゃないって知っているもの。
だからって、時々ココロが悲鳴をあげるんだもの。
たまになら騙されるくらい強い心配を浴びたいんだもの。

両方がお芝居だと自覚している夢物語ならいいじゃない。

誰かのことより、私のことを考えて欲しい。
例えば貴方にだってそういう気分もあるでしょう?

そうして非現実の世界に逃げた後、少しだけ気分転換して私は、また現実の世界に戻るの。

損な性分なんだ。
そう言いながら笑う顔が好きだ。

得にもならないことに精を出すお人好し。
他人の感情をまるで自分のもののように感じて。
自分のことは後回しにして向けられる厚意には敏感でも好意に疎い。

口汚く罵りたくてもそんな部分、盲目な自分には無理なことで。

あぁ、誰でもいいから!
絶対に霞まない慧眼をくれないか!

そこで相手の気持ちを欲しがらないあんたも充分お人好しだ。
と、隣にいた髭面のおっさんが笑った。


じわじわと侵蝕されていく。

触れられたくもない。
声も聞きたくない。
目にもしたくない。

叫んでいるのに。

「大丈夫だよ」
「怖くないよ」
「それは普通のことなんだ」

仮面の表情。
平坦な声。
それなら拒否できるのに。

心底それを信じている瞳。
自分の為だと本気で親身に言い聞かせる声。

まるで聞き分けのない子供のような態度を私が取っているかのような錯覚と。
侵蝕だ、気持ち悪いと叫ぶ心。

あぁ。
狂ってしまえたら、逃げてしまえたら、裏切ってしまえたら、嫌ってしまえたら、放り出してしまえたら。

いっそ楽なのに。

ぼんやり見上げた空は刺さるように透明で。
何だか無性に叫びたくなった。


助けて。
なんて見返りがない相手に言っても意味はない。

だから。
私は相手からの見返りもなく助けの手を伸ばせる人間になろうと決めた。

例えそれが無我夢中で相手が「私」じゃなくて「誰でもいいから」と伸ばした手だったとしても。

その瞬間だけは確かに自分が求められたということだから。

どうせ無価値な命なら、価値ある何かに使いたい。


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