■ 晴れた日に逢いましょう

捨てられていた黄色いもの。

小さな帽子にも見えるし、大きなボゥルにも見えた。

見つけたのが晴れた日でよかった。
雨の日に棄てられたものを見つけるのは堪らないほどの寂漠感に襲われるから。

■ 与えられたもの

多すぎると不安になって。
少なすぎると自嘲する。
予防する術だけは上達しているのに。
防御する姿は隙だらけ。

面倒な君の価値はきっと、君が思うよりずっとずっと尊いものだと僕は知ってる。
他の誰が、君すら認めないとしても。

■ カラッポ

ただ幸せになりたくて。
ただ優しくされたくて。

なのに方法が解らない。

分け与えられるものも。
誰かにもらいたいものも。
何もないから。

■ あなたとわたし

僕は自分が怖いんだ。

ぽつり。
あなたはつぶやいた。
わたしにきかせるように。
わたしがきいていなくてもきにしないように。

何で？

なるべくへいたんにきこえるようにたずねる。
すぐよこにあるてをにぎりたい。

自分が変わっていくことも、誰かを傷つけることも、傷つけられることも、枯れていくことも、潰れていくことも。
それは仕方がないことじゃないの？
それが怖いんだ。

おたんじょうび。
ぜつぼうのにじんだひとみであなたはぽつり。
つぶやいた。


生きているだけで充分じゃない。

わたしはとどかないこえでつぶやいた。
でもきっとそんなかんたんなことじゃないだろうなとおもいながら。

■ かれ、る。

枯れる。
かれ、流。

からからとやがて哭くしかできないものになる。
覚悟はあっても恐怖は消えない。


あぁ、願わくばこの脚が動きますように。