自己満足詩系blogです。
一日一題更新予定。
早々挫折で気まぐれ更新。
途中から写真兼用に。
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「月の光…雨みたいに降ってこないかな?きっと綺麗だと思うんだけど」
腕を伸ばす。
両手を広げ、空を見上げる。
何かに心の大部分を占められている時の君の癖。
君の口癖。
「どう思う?」
見上げられた視線が少しだけ地上に近い位置に動く。
映るのは俺の顔。
答えなんて本当は求めていないくせに。
本当は一人で居たいと、俺なんかの心配なんていらないと言いたいくせに。
無言で内に逃げていた彼女。
けれど俺が視線を向けてしまったから。
俺の存在を自分自身に思い出させるように質問をするずるい彼女。
だから嫌いになれない。
「優しい光が降る世界なら…私も優しくなれるような気がするんだけどな」
月光の降る世界。
月光の降る夜が日常的に存在するなら。
きっと何の思いも抱かないだろう。
あることに慣れたものに人は一々感動しない。
時にしかないものなら、単純にその幸運に出会えたことを喜び、時折思い出し幸せな気持ちにでも浸ればいい。
正直、そんなものに何の興味もないし、別にあったからと言って、どうにもならないだろうと思うけれど。
「―――雨だれのような月光」
「ん?」
「―――今なら見たいかもしれない」
ようやく。
驚いたように。
帰ってきた。
じっと俺を見つめる彼女。
夜空から手の中へ取り戻せたことに安堵のため息をつく。
時折、隣から彼女を攫っていく月夜には嫉妬のような自己嫌悪な感情しか感じないけれど。
「今だけ?」
「今、だけ」
君といるこんな夜になら、月光が降れば綺麗だと思うくらいの感情は湧くかもしれない。
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