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自己満足詩系blogです。 一日一題更新予定。 早々挫折で気まぐれ更新。 途中から写真兼用に。
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忌々しい。
舌打ちをしようと罵詈雑言を吐きかけようとその身には触れられない。
触れることはできない。

言葉も話さず。
身動きも取れないくせに。

その眼に宿り、身に纏う意志ある炎。

相反するものの中においても、それは決して消え去りはしない。
苦しいくせに。

どうやっても屈しないその気高い魂に忌々しさを感じて。
私は今日も醜い言葉を投げかける。

決して消えない炎だなんて、認めてしまったが最後。
私はきっと今のままではいられないと本能が叫んでいるから。

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高く淡い空。
流れる雲。
たゆたう歌声。
姿は見えない。

高く淡く甘い声の旋律は聞き覚えがない異国のもののように聞こえて目を閉じた。

小さな窓とそこから見られる光景しか知らない自分へ時々、届くようになった幸せ。

「帰ろう?」

ガサガサと冷たい掌。
それだけで安心して。

「―――………あいたかった」

一度も言ったことのない言葉が自然にこぼれて。
その返事のように掌がぎゅっ。と強くなって。

「ありがとう」

どちらのものか解らないけれど、感謝の言葉が二人の間に落ちた。

成長した身体。
成長しない精神。

未熟でアンバランスな自分。
自覚したのと同時に襲われた感情は今でもどう言えばいいのかわからない。

ただどうにかしたくて。
どうにも出来なくて。

気づいたら『施設』と名のつく場所へほうり込まれていた。
『更生』なんてどんなものか解らないものを強いられて、そこでも目に余る、手に負えない。と同じ言葉を吐かれた。

自分にどうにもできないものを、他人になんてどうにかできるわけないじゃないか。
そう思っていたら、そこを追い出されて。
待っていたのは幼い頃から近くにあった存在。

「なんで?」
「いつの間にか好きになってたから、かな」

端的な質問に、あったかい答えが返された。
「君は僕に傍にいろと、口に出して望んだことはないよ。僕は自分の意志でここに、君の傍にいるんだ」

だから、気に病まないで。

差し出された手はガサガサで。
触れれば氷のように冷たくて。

「もう、いいのに」
「一緒にいさせて。それだけでいいから」

どうしてだろう。
この人はそれでも淡く笑って、私の傍から離れていかない。
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