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自己満足詩系blogです。 一日一題更新予定。 早々挫折で気まぐれ更新。 途中から写真兼用に。
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「もう私の世話なんて焼いてる歳じゃないでしょ?」

年下の気が強いだけの私の面倒を、いつも押し付けられてきた人。
面倒なことに巻き込まれて。
痛い目を見て。

それでも、私から離れていかない人は、どこまでも私を甘やかす。

「もう、いいから。大丈夫、だから」

だから。
自分の好きなようにして。

本当はもっと前に告げるべきだった言葉。
ようやく口にしたら、思っていたよりもそれはあっさりとした響きで。

「忘れないで」

でも、返されたのは全く意図していなかった言葉だった。
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泣きやまない自分に困惑しているだろう。
そんな当たり前のことに気づけたのは、それこそもう充分に時間が経過してから。

「ごめん。寒い、よね。私は放って置いても、大丈夫、だから」

だから温かい場所へと行って。
しゃくりあげることはなかったけれど、久しぶりに泣くという作業をした喉は想像以上にもたもたとしか声が出なくて。

それでもそれだけ伝えたのに。
一向に足音は聞こえてこないし、気配も動かない。

「寒く、ないの?」
「寒いよ」
「じゃあ行ってよ」
「じゃあ、どこへ行って君を待ってたらいいかな…」

私のせいで風邪をひかれたりするのは嫌だ。
昔のように素直じゃない私の言葉と、変わらないあなたの返事。

「自分で決めて」
「決めるのは君だよ」

涙はいつの間にか止まった。

その姿は記憶の中のあなたよりも少しだけ疲れて見えた。
身にまとうコートはくたくたで。
手袋すらはめていない掌はがさがさで赤くて、寒そうだった。

なのに。

「寒くないかい?」

私を気遣うその声がただ無性に懐かしくて、温かくて。
我慢していたはずの涙が零れ落ちるのを見られたくなくて。

「―――…もう少し、このままで」

しゃがみこんで、寒風の中、ひたすらに涙を流した。

「知っていたよ」

あなたのその言葉に、泣きそうなくらいの衝動を感じた。

このぬくもりが日常になればいい。

日常にしたい。

 

だから僕は。

ほんの少しづつ、君にもそう思ってもらえるように。

 

自分を磨くことを始めた。

 

照れくさくて君にはまだ言えないけれど。

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