■ 輪廻転生

風のように自由に。
太陽のように暖かく。
水のように深い懐を持ち。
土のように誰かの役に立つ。
月のように誰かの道を照らし。
星のように精一杯生きたい。


貴方なら何に生まれ変わりたい？

尋ねられて。
それでも自分はまた再び忙しく愚か故に複雑な感情や関係をもつ…自然現象よりも生き物に。
慣れ親しみ呆れや嘲笑と近しい価値しかなくても人間になりたいと答えた。

いつの間にこんな愛しさなんて感情が生まれていたのかと戸惑いながら。

■ しんだ

悲しかった。
泣きくつもりじゃなかったのに泣いた。

なんだかぽっかり穴が空いたみたいだった。
沢山ごめんなさいって言いたくなった。


「どうしておばあちゃんは平気なの？」
「長く生きてるから少し慣れているだけだよ」

そういってしわしわの手が頭を撫でてくれた。
あったかかった。
ちょっとだけ涙がひっこんだ。

■ かなしみ

言葉しか伝える手段がないのに。
それすら上手くなくて。

感情の一割も伝えられなくて。
私は今日も行き場をなくしたそれらが。

ひっそりと沈んでいくのを。
ただ見遣るしかできません。

■ 繰り人形

踊れ踊れ
何処までも

陶酔する精神と冷めた頭の芯で
止まり方が解るまで

■ うたつぐみ

綺麗な声でうたう貴方。
手に入れたいと願う狩人は後知れず。

東へ東へ逃げ延びて。
歌声だけは変わらない。

いつしかできた貴方の伝承。
悲しき終わりも穏やかな終わりも。
幾筋も物語は分かれ伝わる。

ああ、真実を知るは二人だけ。
私と隣で微笑む貴方だけ。