■ 違いは対価の有無ばかり

貴方の重さと、貴方の寝息。

それに慣れてしまった私は、貴方がいないことに不慣れになって。

独りで安眠することが適わなくなってしまいました。



愚かな私は、貴方と同じ長さの寿命の残量ならいいのにと、思わず願わずにはいられませんでした。



教えて下さい。

これは神に祈るべきですか？それとも悪魔に乞うべきですか？

■ 死

ぽっかりぽっかり穴を空けて。
しっとりしっとり後悔を遺して。

見送る度に削られていく。積もっていく。

思い出よりも貴方を遺して欲しいのに。

ちっぽけな願い。
偉大な神さまには届かない。

だって叶えるたびに狭い地上が滞っていくから。

小さな悼みを救うは大局の痛み。

怯えながら。
諦めながら。
あがきながら。

受け入れる。

■ 前向きな終了

終わることを嘆くよりも。
その時に存在できたことに感謝しよう。

思い出や思いやりに溢れた終わりだろうと。
裏切りの末、許容しがたい終わりだろうと。

そこに至る迄の間に温かいものや学べたことがあるのだから。

もしも負の感情も正の感情も、何も得なかったというならば。

怠惰で鈍い、感情や周囲に関して拒絶してきた自分が自覚できたと認識すればいい。

その善し悪しは別として。

■ 羨望

死ねばいいのに。

そう思う対象は他人でも身内でも己ですらなく。
ただ溢れる憎悪は行き先すら見失い在するだけ。

いっそ世界にでも唾吐こうかと願いども、空しい行為に他ならじ。


あぁ、文学に逃げ込めた古の大先生が羨ましい。
そこでなら確かに影響なく心行く迄凡てを壊せるだろうから。

■ Bay-Bay-My-Honey

金だけでは生きていけない。
愛だけでも生きていけない。

君の言葉は全くだけどね。

じゃあ、どうして君か仕事かを僕に選ばせようとするんだい？

自己矛盾する君が愛しくて可愛くて、だからさよならを告げる僕は過去に囚われる臆病者の偽善者だ。

だって僕が可愛いと思うものは得てして壊れやすいようだから。